当チームは、BRCの遺伝子材料開発室と共同で、ヒトiPS細胞などに対する高効率な蛍光タンパク質導入法を開発しました。
本研究成果は、ヒトiPS細胞を用いた細胞・発生生物学的研究、創薬におけるタンパク質発現を指標とした薬剤候補評価系の構築、再生医療に向けた細胞製造法の確立に貢献すると期待できます。
生きた細胞の状態を可視化するために、指標(マーカー)となる重要な遺伝子発現を、蛍光または発光タンパク質(レポーター)を用いて可視化する研究開発が広く行われています。特にゲノムに直接蛍光タンパク質を組み込むこと(ノックイン)は非常に有効ですが、その効率は低くとどまっています。今回、研究チームは、うまく組み込まれなかった細胞を除去するシステムを開発することにより、ヒトiPS細胞の高効率なノックインを達成するとともに、数々のマーカー遺伝子の蛍光レポーターiPS細胞株群を作製しました。
本研究は、科学雑誌『Cell Reports Methods』オンライン版(12月11日付:日本時間12月12日)に掲載されました。