22q11.2欠失症候群の患者特異的iPS細胞の作製

染色体異常の難病の一つである22q11.2欠失(DiGeorge)症候群の患者様からいただいた体細胞からiPS細胞を作りました。

DiGeorge症候群(22q11.2欠失症候群、またはCATCH22症候群)は、染色体22q11.2の欠失により、多臓器の発育不全をきたす症候群です。我々は、4名の患者からDiGeorge症候群特異的なヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)を作製しました。22q11.2欠失に起因するDiGeorge症候群の分子病態はほとんど分かっていないため、これらの細胞資源は疾患表現型の再現やDiGeorge症候群の新しい治療法の開発に有用です。これからもこのiPS細胞を使って研究を進めていきます。

Shimizu T, Matsuo-Takasaki M, Luijkx D, Takami M, Arai Y, Noguchi M, Nakamura
Y, Hayata T, Saito MK, Hayashi Y. Generation of human induced pluripotent stem
cell lines derived from four DiGeorge syndrome patients with 22q11.2 deletion.
Stem Cell Res. 2022 May;61:102744. doi: 10.1016/j.scr.2022.102744. Epub 2022 Mar 9. PMID: 35292424.